はじめてのランニング
2019/2/10: 以下の文章は、おれが2011年5月に書いたもの。はじめて走った時の記録として残しておく。はじめて走った時は5kmくらいでこんなにグダグダ言っていたのかと驚いた。途方もなく長い距離みたいに言ってるけども。
この年の11月には予告通り本当にフルマラソンに出たけど普通に歩いた。初めて歩かずにフルマラソンを完走するのはそれからちょうど7年後の11月になる。先は長い、深い、言葉にならないくらい・・・。
村上春樹に影響を受けてから2週間くらい経った今週の水曜日、ついに走った。うちの近所を1周。5kmくらいだけれど、一度も止まることなく走り続けた。
本当は先月の頭にも一度走ってみたことがあった。たぶん4月になったからやる気を出そうとかそんな気持ちで挑戦したんだと思う。もう思い出せない。遥か昔のことみたいだ。でも途中で何度も歩いてしまったことは覚えている。もっと言えば、何年か前にも走ろうと思ったことがあった。言うまでもなく三日坊主だったし、言うまでもなく途中で何度も歩いてしまった。
今回は何が違うのか。村上春樹に影響されたのが原因かもしれない。靴を買ってしまったことは・・・原因かもしれないし、結果かもしれない。分からないから考えるのはやめよう。そもそも今回だって、ひょっとしたら今週で走るのをやめてしまうかもしれないわけだし(そんなことは考えたくない)。
水曜日に走り出したときに気にしていたのは、ある一定のペースを守ろうということだった。このくらいだったら5kmを完走できるんじゃないかというペースで走り出し、RunKeeperがそのペースを教えてくれたらそこから大きく外れないように走り続けた。たしかそれは7分を切るくらいのペースだったと思う。歩くよりはマシだろう、とだけ思った。
時間は朝の4時過ぎだった。4時に目を覚ましたときには外は暗かったけれど、準備をして走りはじめた4:30頃になると既に明るくなりだしていて、朝の始まり、という感じだった。すれ違った老人はおはようございますと言った。おれは音楽を聴いていて老人の声はよく聞こえなかったけれど、おはようございますと言った。老人は「コートダジュール」と言ってたのかもしれない。「行ってみたいですよねー」とか言ったほうがよかったか。
そんなこんなで3kmを過ぎた辺りから右足の土踏まずが痛くなってきた。皮膚の痛みだ。しかしそのころにはもう「今回は完走できるのかもしれない」という思いが強く、よっぽどのことが無い限りは止まる気にはなれなかった。おれも数十年後には村上春樹みたいに「少なくとも最後まで歩かなかった」って言いたい!と思って頑張った。
右足の土踏まずには水ぶくれが出来ていたし、翌日から太ももが筋肉痛になったせいで駅の階段をベタな生まれたての子鹿のマネみたいにぷるぷるしながら昇り降りすることになった。たった5kmを走っただけで! でもそんなたった5kmの道のりだけれど、初心者にとっては、少なくとも一度もこのコースを完走できたことがないおれにとっては、完走できたということは凄く大きな出来事だった。だからおれは目標を立てた。それは今年中にフルマラソンに出ること、そして “少なくとも最後まで歩かない” こと。